太陽光発電は技術開発や国の政策(自然エネルギーの推進)、電力の自由化などの追い風を受けて、この10数年で大いに発展し、導入件数も飛躍的に増えてきました。しかし2019年の時点で、一度立ち止まり太陽光発電に関するメリット、デメリット、問題点を再点検し今後の動向を占ってみました。

世界の潮流は「自然環境保護」「クリーンなエネルギー」「再生可能エネルギー」というキーワードにマッチした太陽光発電は問題点を解決しつつ、さらなる発展を遂げていくと言えます。ここに太陽光発電のメリット・デメリット・問題点とその解決法を提示いたします。

太陽光発電のメリット6個

人類は歴史的に見て色々な発電方式を編み出し、産業の発展、生活の利便性を支えてきました。その過程において水力発電、火力発電、原子力発電などが実用化されました。なかでも太陽光発電は光を直接電気に変えるという、技術的見地から見ると、非常にユニークな発電方式であると言えます。

森羅万象、表があれば必ず裏があるように、太陽光発電にもメリットとデメリットがありますが、まずはメリットから見ていきましょう。メリットは大別すると6つあります。

①燃料費が無料であり、かつ無尽蔵にある

火力発電は石炭や石油、天然ガスなどの燃料を使い、原子力発電はウラン鉱石など放射線を放出する物質を必要とします。電気を作るためには何らかの元手(燃料やウラン鉱石など)をかけます。

しかし太陽光発電は「光を直接電気に変える発電方式」であるため、いわゆる燃料費が「無料」であり、さらに無尽蔵なのです。(正確に言うと45億年くらい)太陽が降り注ぐ地球上どこでも使える、これは本当に有難いメリットです。

②環境にやさしい

火力発電は燃料を燃やして蒸気を発生させ、その蒸気を使ってタービンを回して発電し排ガスとして「CO2(二酸化炭素)」を大気中に排出します。これが地球温暖化の原因と言われ社会問題になりました。

また原子力発電は核廃棄物の処理問題や自然災害発生時における原子炉破壊による核物質の放出(2011年3月の東日本大震災)で日本中が大騒ぎしました。その結果、土壌汚染の除去(除染)で大変膨大な時間とお金をかけています。

方や太陽光発電は排ガス(二酸化炭素)を出しませんし、万が一に自然災害が発生してもパネルや設備が壊れるだけで環境に大きな負荷をかける様なことはありません。そういう意味で太陽光発電は「環境にやさしい」と言えるでしょう。

③発電量(発電所の規模)が自由に設計できる

火力発電所や原子力発電所は、ある一定規模の大きさを有するのに対して、太陽光発電は超小型発電所からメガソーラーまで自由に設計できることが特徴です。電線を設置できないような人里離れた山の奥地でも太陽光パネルが設置されており、気象観測のデーター送信用に利用されています。

一方では長崎県の宇久島にあるメガソーラーは発電容量が430MW(メガワット)で、個人の住宅に換算すると約14万世帯の電力を供給できます。この様に超小型から家庭用、さらにはメガソーラーとニーズに適した発電規模の設備設計が可能になるのも太陽光発電ならではの利点でしょう。

④遊休地を「お金」に換えることができる

太陽光発電用のパネルはどこに設置しても良いのですが、できれば普段利用しない空間や空き地を利用すると、大きなメリットを生むことになります。家庭用の太陽光発電では、普通は屋根の上に太陽光パネルを設置します。そのまま放置すれば、お金を生まない屋根の上という空間が「お金」を生み出す魔法の空間となります。

また農業や林業で利用できない山間へき地に太陽光パネルを設置し、「太陽光発電所」にすれば安定した収入(ストック型収入)を得ることも可能です。20年間決まった値段で電力会社が発電所で生み出された電気を買い取ってくれます。

不動産投資や株式投資などノウハウを必要とする投資に比べて、太陽光発電は遊休地さえあれば「電力買い取り制度」を利用して中期的な安定投資になります。

⑤環境に負荷を与える二酸化炭素(CO2)排出「ゼロ」

太陽光発電は地球温暖化の元凶と言われる二酸化炭素(CO2)が全く発生しない発電方式です、火力発電は石炭や石油、天然ガスなどの炭素化合物を燃焼させるために、必ず二酸化炭素が発生します。これが火力発電の泣き所なのですが、太陽光発電は光を直接電気に変える発電方式であるため、二酸化炭素は全く発生しないのです。したがって地球温暖化という悪影響を与えることはありません。

⑥設備のメンテナンスが容易である

原子力発電や火力発電、水力発電は蒸気や水でタービンを回して発電します。ですから設備の中には駆動部分があり、摩耗します。また蒸気や水の配管類は老朽化します。

一方、太陽光発電は光エネルギーを太陽光パネルで直接電気に変換するため、「駆動部」は必要とせず、従って設備全体のメンテナンスは容易です。もちろん太陽光パネルの清掃や設置場所の除草、電気配線系列の点検、部品の交換など簡単なメンテナンスは避けることができません。

太陽光発電のデメリット4個

物事全てプラス面があればマイナス面も併せて持っています。人間も長所があり、短所もあります。太陽光発電においても先ほど述べたような6つのメリットを持つ反面、4つのデメリットがあります。以下順次、分かり易く説明していきます。

①発電コストが高い

政府機関である「発電コスト検証ワーキンググループ」による発電コストの検証結果です。2014年度と2030年モデルを見てみましょう。

 太陽光(家庭用)原子力火力(石油)火力(LNG)水力風力(陸上)
2014年
(単位:円/KWh)
29.410.130.613.711.021.6
2030年予測
(単位:円/KWh)
12.710.328.913.711.013.6

2014年度において太陽光発電は原子力や水力に比べて3倍弱のコストなのですが、技術革新や太陽光発電システムの設置数などが増加すれば、発電コストは11~13円/KWh前後に収斂していくという予測です。(簡単に言えば発電方式にかかわらず、ほぼ同じコストになるということ、ただし石油火力発電を除く)

②夜間には発電できず、くもりや雨では効率が落ちる

光を電気に変える技術を活用した太陽光発電であるから、これは当然と言えば当然のことです。太陽の光がない所ではその能力が発揮できません。光の量が「ゼロ」なら、発電量も「ゼロ」なのです。

また曇りや雨の日は晴天の日に比べて、太陽光パネルに当たる光の量が極端に低下するため、発電効率も晴天の日に比較して1/3~1/20に低下します。このデメリットは技術的に解決することはできません。ただしこのデメリットを解決する手段は、後程「問題点とその解決策」で説明いたします。

③設置場所により発電効率が変わる

太陽光発電は、いかにして太陽の光を最大限に吸収する場所に設置するかが大切です。まず、太陽光パネルの設置方向により発電効率が変わります。推奨されている設置方向は「南側」です。

また太陽光パネルは温度が高くなると発電効率が悪くなるため、比較的寒冷地が良いとされています。もちろん日照時間が長い場所、日陰になる樹木や建築物などがない場所に設置したいです。

つまり、発電効率を最大限にするには「パネルは南向き」「日照時間の長い場所」「晴れの日数が多い場所」「平均気温が低い場所」を選ぶという結論になります。

④メガソーラーの設置で景観を損ねる場合がある

家庭用の小規模発電ではほとんど問題にはなりませんが、大規模なメガソーラーでは考慮すべき事項になります。緑豊かな森林の伐採をするなど無理やりに太陽光発電を導入すれば、住民の反発を招くこととなるでしょう。はげ山や岩山などに設置すればこの問題はありません。

太陽光発電の問題点とその解決方法

先ほど述べたように2030年に向けて発電コスト問題は技術革新と時間が解決してくれると仮定して、残りの問題と解決策を説明します。

①夜間に発電しないという問題を解決する方法

結論を言えば「蓄電池」を用いることです。昼間に発電した電気を蓄電池にため込み、その電気を夜間、蓄電池から取り出して使用すれば解決できます。従って家庭用の太陽光発電を導入する場合には「蓄電池」も込みで導入することが大切です。

蓄電池を使わない方法としては昼間の電気で、お湯を沸かすという手段もあるでしょう。夜間電力でお湯を沸かすシステムは現存していますから、それを活用すればいいのです。

②2019年問題とその解決方法

2009年11月以前に設置した太陽光発電設備の「余剰電力買い取り制度」が2019年11月に終了(契約満了)します。2009年11月から10年間は決まった価格(48円/KWh)で余剰電力を電力会社に売電できていましたが、順次契約満了となります。

この問題を解決する手段は2通りです。今まで通りの電力会社に売電する(もしくは他の電力会社に売電する)か、それとも自家消費に回すかです。電力会社は2019年4月~6月に新たな買取価格を提示する予定になっています。

ちなみに関西電力は2019年4月22日付けプレスリリースで11月以降は、8円/KWhで買い取りを継続すると発表がありました。同様に中部電力は、7~8.1円/KWh(契約条件で買い取り価格に差がある)、中国電力は、7.14円/KWhです。

この2通りの解決手段のどちらを採用するかは、各々の置かれた環境によって変わります。専門業者に相談してシミュレーションしてみてはいかがでしょうか?

まとめ

太陽光発電のメリット、デメリット、問題点の解決方法を解説してきました。世の中の流れが「再生可能エネルギー」「地球環境保全」「新技術志向」になっていますので、太陽光発電は、まさにその潮流に乗っている新しい発電技術なのです。

2019年現在では発電コストが高いのは事実ですが、将来に向けた専門家の予測では水力やLNG火力、原子力と肩を並べるレベルに到達する見込みです。発電コスト以外に太陽光発電の弱点はほとんどないと言っていいでしょう。

発電コスト問題が2030年ころにクリアーできるなら太陽光発電にとっては「追い風」となり、再び太陽光発電ブームが到来するでしょう。ですから太陽光発電の未来は一言でいえば「とても明るい」ということです。